症状
●膝の前十字靭帯損傷、後十字靭帯損傷では、膝関節内に血液がたまる関節血腫、痛み、歩行困難、膝くずれ(階段の上り降りやスポーツなどで膝に負担がかかると、膝がガクッとなる状態 ギビングウェイともいいます)が起こります。
●膝の側副靭帯損傷では、痛みや、膝の曲げ伸ばしの制限(可動域制限)が起こります。
原因と病態
●スポーツや交通事故などの、大きな外力によって、膝関節が通常以上のストレスがかかり、靭帯に損傷が起こります。
●一部が損傷する場合と 完全に切れてしまう場合があります。
●膝には、前十字靭帯 後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯にわかれています。
●靭帯は 弾力性のある、繊維の束になっていて、骨と骨をつないで、関節を安定させたり、運動の範囲を制限したりして、関節の動きを維持しています。
●前十字靭帯損傷は、ジャンプや急な方向転換など原因になることが多いとされます。
●後十字靭帯損傷は、交通事故、ラグビー中に膝を地面で打つなどの、強い接触が原因となる事が多いとされます。
●内側側副靭帯損傷では、スキーやラグビーなどのスポーツで、膝を外側に捻る動作が原因となる事が多いとされます。
●外側側副靭帯損傷では、柔道で転んだ時など、膝の内側からの衝撃が原因となる事が多く、十字靭帯損傷や半月板損傷などを合併していることが多いとされます。
診断
●レントゲン検査、MRI検査を行います。
治療
●受傷直後は、安静、冷却、圧迫、挙上を行った後、装具等で固定を行い、患部を安静に保ちます。
●症状の激しい、急性期を過ぎたら、筋力訓練、膝の曲げ伸ばし訓練(可動域訓練)を行います。
●前十字靭帯は、靭帯の再生能力が乏しい特徴があるため、手術を選択することが多く、手術後は早めに筋力訓練や可動域訓練などのリハビリを開始し、太ももを中心とした、筋力の回復が重要とされます。