症状
Ⅰ度(筋繊維の微細な損傷) | Ⅱ度(筋繊維の一部断裂) | Ⅲ度(筋繊維の完全断裂) |
患部に軽い圧痛腫れ | 強い圧痛受傷筋肉に陥凸腫れ皮下出血 | 強い圧痛受傷筋肉に陥凸腫れ皮下出血 |
原因と病態
- 運動中のジャンプやダッシュ動作などで、筋肉が瞬間的に収縮することで、筋膜が急に引き伸ばされ、部分断裂が起こります。
- Ⅰ度の状態を肉離れと呼びます。
- 筋断裂がきっかけとなり、区画症候群(コンパートメント症候群)と呼ばれる、筋肉組織の循環障害、筋組織の壊死を起こす場合もあり、注意が必要です。
- 多くの場合、筋肉の柔軟性が失われつつある、成人に発症します。
- 柔軟性の欠如以外も、筋肉疲労等の様々な要因があります。
- ウォーミングアップやストレッチ不足などの運動前の準備不足も原因となります。
- 下腿三頭筋、大腿部膝屈筋(ハムストリングス)大腿四頭筋、股関節内転筋によく発症します。
診断
- 問診、診察、画像検査を行います。
- MRI画像で、筋肉の損傷の程度や範囲を確認する場合があります。
治療
- 受傷直後に応急処置を行う事が大切です。(安静の保持、アイシング、患部の圧迫、挙上)
- ほとんどが、保存的な治療が適応となりますが、完全断裂の場合は断裂した筋肉をつなぐなどの手術療法が適応になる場合があります。
- 一般的に予後は良好で、受傷直後の応急処置が、回復期間の短縮につながります。
- 痛みを緩和するために、薬物療法を併用する場合があります。
- 運動は段階的にすすめていき2~3週間は荷重を制限したり、ギプス固定を行い松葉杖を使用する場合もあります。